とり好
沖縄では「豚」がよく食べられる。
“鳴き声以外はみんな食べられる”といわれるように、
ラフテー、ソーキをはじめ、チラガー(顔)、ミミガー(耳)から中身(内臓)、ティビチ(足)まで、
余すところなく豚を使った料理が多くある。
(あれ?尻尾はどうするのかなぁ…笑)
沖縄の豚といえば、近年『アグー』が全国区で認知されるようになった。
アグーは赤身の旨みと脂の質の良さが特徴で、
さらにコレステロールは外来種の4分の1であるうえ、
ビタミンB1や肉の旨み成分であるグルタミン酸も非常に多く栄養的にも秀逸。
しかし『幻の豚』といわれるように数が少ないために
“アグー=高い”というイメージがついているようであるが、
沖縄本島北部、本部半島の今帰仁にお手軽な金額でアグーを食べさせてくれる店がある。
それが今回紹介する『とり好』である。
お店の紹介の前にアグーの話を少し。
琉球在来豚アグーは、中国から来る船の中で食料用として飼育されていた豚が、
1385年頃に琉球へ持ち込まれたのが起源といわれている。
琉球王国時代から戦前までは、当たり前のように食されていたアグーだが、
第二次世界大戦中の食糧難や豚コレラ等により数が激減。
さらに戦後、物資の乏しくなった沖縄を救うため、
ハワイの沖縄県人会が送ってくれた白豚がアグー種にとっては仇となってしまった。
というのも、白豚はアグーよりも出産数も多く、発育が早かったのである。
アグーは発育速度が遅く出産数が少ないので、白豚に対してコストが倍以上かかり、
加えて生育がとても難しいということもあり、養豚農家は白豚を育てるのを選んだのだった。
結果、沖縄の食糧事情が良くなった代わりに、アグー種は絶滅の危機に瀕してしまった。
間違えないで欲しいのは、決して養豚農家が悪いと言うことを言っているのではない。
結果的にここでも戦争が悪い影響を及ぼしているのである。
現在ではアグーを増やそうという活動の元、
全くの原種というわけではないが、少しずつ数も増え我々の口にも入るようになってきた。
今回紹介する「とり好」では『やんばる島豚』『今帰仁アグー』を食することが出来る。
2008年7月時点のメニュー
『今帰仁アグー』は、アグーと唐豚の子孫と考えられる島豚「アヨー」の交配種。
脂の融点が低いため、口の中で溶け、味が伝わりやすいのと、筋繊維が細かいのが特徴である。
一方『やんばる島豚』は、アグーとアメリカ黒豚デュロックと
バークヨークシャーのハーフを交配させたもの。
デュロックのサシ(霜降り)とバークシャーのきめの細かい食感、
そしてアグーの脂の旨みを併せ持った肉質がその特徴だ。
【今帰仁アグーの塩焼き】
ハッキリ言って、これは絶品!
焼き具合といい、塩加減といい、言うことナシ。
そしてなんと言っても今帰仁アグーは脂身がめっちゃンマいのだ!
これが1000円(2008年7月現在)で食えるなんて、と〜っても幸せなのである。
今帰仁アグーの串かつ
この他にもミニ串焼きややんばる島豚の串焼きなどがあり、どれもサイコーにンマイ。
写真はないけど、機会があれば今帰仁アグーのテビチもお試しあれ。
薩摩地鶏の刺身
この刺身もぜひぜひ頼んで欲しい。
これまた旨いんだなぁヾ(≧▽≦)ノ♪
とり皮(塩)/焼き鳥
本来、とり好は焼鳥屋さん。もちろん焼き鳥もウンマイ!
特にカリッカリに焼かれたとり皮は抜群!
大勢でいろいろ頼むかたちの方がこの店は楽しいかも。
大将が北海道の出身と言うことで、北海道から直送の焼き魚も旨いし、
タレがバカウマのキャベツタンザクも欠かせない一品なのである。
【とり好】
沖縄県国頭郡今帰仁村字仲宗根290
TEL.0980-56-3981
営業時間:月〜土 17:30〜24:00(L.O.22:30)
日 17:30〜23:00(L.O.21:30)
定休日:無休
by porco381
| 2009-03-21 16:38
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